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水槽掃除の脇役たち

 今回は「コケ」のお話…。
正確には「藻類」に含まれるので「コケ」とか「苔」っていうのは間違いなんだけど、やっぱり「水槽の苔」っていう表現がわかりやすいね。

さて、私が水槽の掃除をするときに、どんな器具を使ってきたかというと…。
まずは、これ。
初めて水槽を立ち上げたときに購入した「スポンジと苔落としのゴム」の付いた製品。
私は水槽掃除のときに、水の中に手を入れる感触が嫌なのでこの製品を購入しました。
何が嫌かというと、あの水のヒンヤリ感じと、掃除後の手に残る「青汁っぽい」におい。
そんなわけで購入した製品なのですが、どうもなんだかうまくいかない。というより痒いところに手が届かない感じなのです。
力を入れてこすっているつもりでも、「どうも力がスポンジに伝わっていない」って言う雰囲気…。
結局、失敗です。そこで、これは「いつ使うかわからないけど、捨てられない保管庫」行きに決定です。
 そんなあるとき「ふと」見ていたビルの窓拭き…。おんなじような器具を手に持っているじゃないですか。
実際に窓をふいているのを見ていると便利そう。そこで実際に自分で試してみる。
スポンジ側に石鹸水をつけて窓をふき、ゴム側で水分をそぎ落とす。「こりゃ便利だ」
そんなわけで1年に1度、大掃除のときに登場する掃除器具として現在活躍中。無駄な購入じゃないぞ…。

次に、「やっぱり、水に手を入れたくない」理由で購入したのがこれ。
互いに磁石になっていて「ガラスを挟んで外から動かすと中もいっしょに動く」というアイディア物。
確かに、うっすらと着いた苔は落ちるのですが、ちょっと頑固に居着いたガラスの苔には負けました。
それに水中に片方を入れっぱなしにしておくと、糸が溶けてくるし…。
そこで、掃除の終了後に水から出すと、今まで水に入っていた磁石と外で操作していた磁石がピッタリと付いちゃう。
すると、濡れていないほうの磁石の表面もびっしょりなんてこともしばしば。
さらに、アクリル水槽でこの器具をテストしてみるとアクリル面に細かい傷が…。
アクリル水槽を購入した直後にテストしたのでショックも2倍。
今では「いつ使うかわからないけど、捨てられない保管庫」で永眠中。

良く本でいわれるのが三角定規や分度器。
実際試してみたのですが、「苔を落とす」というより「苔を削る」といった表現のほうが良いでしょうか?
つまり、日々の管理の中で「掃除には適さない」と思うのです。
「どうしても掃除で落ちない苔があったら使用する」程度だということです。
もちろんアクリル水槽では傷がつくので使用できません。
しかしながら、砂を平らに慣らすには重宝するので一石ニ鳥。三角定規ぐらいはアクア用品として常備しておいても良いかもしれません。

ガラス水槽で重宝したのがこれ。
軍手に「アルミくず」が着いたような製品。
普段の掃除には、これを丸めてゴシゴシとお掃除。
しかも頑固な苔も良く落ちます。まさに掃除と苔とりの両方を兼ね備えた製品。
さらに、「細かい部分の掃除をしたいな」と思ったら、この手袋をはめて指で掃除も出来る。
本当に細部も思ったように掃除できます。
欠点は手袋を外すときの感触。水で湿った手袋を外すときは「うわぁぁぁ」ってな感じに襲われます。
当然、アクリル水槽に使用できません…残念。現在行方不明。

結局現在は台所のスポンジたわしで掃除をしています。
ただのスポンジたわしではなく、ナイロン製の紐のはってある網目状のスポンジたわし。
アクリル水槽にも傷がつかずガラス面の苔も良く落ちます。
行きつくところはやはりコレ。数々の経験を通してたどり着くのですね。
(「ヘラに始まりヘラに終わる」とか「シャジンに始まりシャジンに終わる」か?<違うだろう>)
ただし、頑固な苔は力を入れて何度もこする必要がありますが…。
ガラス水槽では苔が落ちにくいような気がするのですが、気のせいでしょうか?

苔…最初の試練

 水槽を初めて立ち上げたり、リセットすると必ず現れるのが、ドロドロした繊維の細かい苔。
だいたい3週間目ぐらいにピークを迎えます。
詳しくはアクアリウム何故?何?強い水を参照してください。
簡単にいうと、水槽内(濾過器内)に亜硝酸分解のバクテリアが十分生育していないので亜硝酸濃度が高まり苔の餌となるためです。
そして、そのバクテリアの増殖スピードは亜硝酸を生産するバクテリアより遅いので3週間目で亜硝酸濃度が最大になるのです。
しかし、そんな理由など知る由も無かった私は(こういう経験の書いてある本が無いんですね昔は…)突然襲われた苔との戦いを放棄しました。
苔が大量に出てくるまでは順調な水槽だっただけに「何故なんだ突然?」と悩んだ記憶があります。
最初のうちは毎日出てくる苔を掃除していたのですが、恐るべき増殖力の前になすすべが無く敗北しました。
 結局、葉の細かい水草は苔とともに大量に捨てることとなります(掃除が困難なため)。
すると今度は一転して苔が縮小に向かい自然消滅に至ります。おそらくバクテリアの増殖が整い苔の餌が枯渇したのでしょう。
その後は掃除を多少怠っても苔の出ない環境となります。
このときが「水の完成」です。
今ではリセットした水槽に苔がついても、そのままにしておきます。すぐに苔が消えていくからです。
リセットした水槽には、バクテリア付きの砂、水、ろ材を使用するのでバクテリアがすぐに増殖する環境が整っています。


では初めて水槽を立ち上げる人はどうすれば良いのか?
水草を育成しないなら「苔の発生を押さえる薬品」を当初から投入すれば良いと思います(写真は「水の素」)。
1ヶ月程度続けていればそのうちに水が出来あがって苔の付かない水槽ができます。
 水草の育成を行うのなら、薬品は使用できません。水草にもダメージがあります。
水が出来るまで水草の投入を控えるのもひとつの手ですが、せっかちな人には酷な注文でしょう。
土壌バクテリアの出来あがる時間も遅くなります。
私のお勧めは、水中の亜硝酸を良く吸収する水草の投入が良いでしょう。
たとえば、アメリカンスプライトやミクロソリウムなんかの水草です。
特にアメリカンスプライトは水中の養分を吸って爆発的に増殖すると思います。
ショップで小さいものを購入しても、しばらくすると大株に成長します。
しかし、水が出来てくると成長にかげりが生じてくるので今度は逆に肥料が必要だったりします。
 最後に「あきらめる」というのも手です。
苔に襲われ、捨てることを前提に当初水草を購入しても良いかと思います。
一種の賭けでもあります。
しかしながら、当初水草を大量に植えておくことは苔予防の作戦としては有効だと思います。
あくまで賭けですから、大量に植える水草は安い種類で良いです。
そのうちに高価な水草を欲しくなりますから…。

 とにかく、ドロドロした緑色の苔や茶色の苔が水槽に出てきた場合には「濾過能力の低下」が原因として考えられます。
茶色の苔はプレコやオトシンクルス等の生物兵器で対処が可能です。
また、緑色の苔も小さく細かいうちなら、ある程度生物兵器で対処できます。
私は繁殖用水槽(砂も入れない水槽)ではプレコを一緒に入れて飼育しています。
これだと、薬品を使用しなくても水槽に苔がつきません。
また、水槽下部の糞等もきれいに掃除してくれるので重宝します。
「濾過能力の低下かな?」と思ったら、エアーションをして酸素濃度を増すか、ろ材を軽く掃除するのも有効です。
あくまで「バクテリアさん増えてね」と想像しながら行うと良いかと思います。

葉の表面についた苔。
この苔は手で葉をなぞると簡単に掃除できます。
掃除のとき手で葉を洗いながら器具で苔を吸い出すと良いでしょう。
この手の苔は怖いことはありません。水が順調なら簡単に消滅します。
「餌が亜硝酸なんだな」と簡単に想像できる可愛いやつです。

問題なのが「黒くて頑固な髭状の苔」です。
私の水槽では、しばらくの間見たこともありませんでした。
ある事件を経験するまで…。
この苔が出現してから1年以上、黒髭との長い戦いがスタートしたのです。
植物の育成は根気の要る作業です。
「苔なんて出ないジャン、言うほど対した事ないね」と思っていた高慢ちきな私は、水草維持最大の難敵に遭遇し、諸先輩と同じように飽くなき戦いに突入したのでした…。


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