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稚魚を見た

 水槽を初めて起ちあげた頃、まだどんな魚を入れて良いかわからず、「ちびまるこちゃん(さくらももこ)」で見たグッピーを導入しようと思い、ショップに向かいました。
ショップでは安いグッピーが大量に群れており、「どれにしますか?」の問いに戸惑いながら「適当にペアで4匹ください」と答えました。
今では当時購入したグッピーは輸入グッピー(うすい食塩水で養殖された)であることは判っていますが、その時は知らず、何の予備知識も無いまま60cm水槽で飼育しました。
それから2週間ほどすると雄のグッピーが落ち、続いて雌のグッピーも調子を崩し底の方で動かなくなりました。
 どうやら輸入グッピーは真水に馴らすために最初はうすい食塩水から飼育を始めて徐々に(2週間ほど)真水に馴らしていくのが良いみたいです。
しかし、幸いにも1ペアが生き残っており、本でも「繁殖がすぐ楽しめる」と書いてあるので期待しながら飼育を続けました。
そのうちにグッピーの雌に妊娠マーク(えらの斜め後方下に出る黒い筋)が出始め(良く見るとお腹も大きい)出産が近いと感じました。
ちなみにグッピーは稚魚のまま出産する卵胎性の魚だと本で知識は得ていました。とはいえ、本で読むまで知らなかったことです。そもそもこのような魚は海タナゴぐらいしか知りませんでした。
海タナゴといえば初めてこれを釣り上げて家で料理しようとしたらお腹から稚魚がうじゃうじゃ出てきて気持ち悪かったことが思い出されます。地方によっては安産祈願として食するそうです。

さて、肝心のグッピーですが私の勘違いなのか中々稚魚が見れません。
「私の思い過ごしなんだろうか?」と感じ始め、記憶の中から「稚魚の出現」が薄らいだ頃、ふと水草の根の部分を見ると、「感動!!」稚魚がいつのまにかいるのです。
このときグッピーの稚魚であることも確信できず、当時水槽内にいたコリドラスかグラスキャットの稚魚だと思ってしまいました。「やったーー!」と言う感じですか。
色は肌色っぽく、目だけが黒の稚魚で私のイメージする稚魚よりは「大きいと」感じたことを今でも覚えています。
程なくしてその稚魚はグッピーの稚魚であることを知りましたが…。

稚魚を観察

 さぁ稚魚を見つけた私は興奮し、夜になっても懐中電灯で水槽内を照らし、稚魚の生態を観察するのでした。
そして、発見する稚魚の数が1匹1匹増えるたびにニンマリしたのです。
良く数えてみると確認しただけで10匹はいたとおもいます。水草のかげ、流木の下等々。
次の日(明るくなって)も稚魚がいるかと思い覗いてみるといました。いるだけで安心します。
ところが、稚魚がふらふらと高いところに泳いできたら、他の魚がすーーっと寄ってきて「パクリ」。
「あーー!」
「やはり食べられんだ」とこのとき始めて現実を目の当たりにしました。
閉じた水槽の中では魚の密度が高いのでしょう、水草のかげの稚魚もちょっとした拍子に「パクリ」です。
そしていつのまにか水槽内の稚魚はその姿を無くしました。

 友人に稚魚が生まれたことを話たら、「どうせグッピーの稚魚でしょ?」とあっさり言われ少しがっかり。
友人曰く、「私の水槽なんか上部濾過器の中で大きくなって水の出るところから成魚になって落ちてきたよ」と言われました。本当なんでしょうか?
それからしばらくして友人の語った「どうせグッピー」の意味が分かりました。またまた稚魚がいるのです。
グッピーはその後雌が他界し、稚魚もいつものパターンでいなくなったので繁殖はできていません。
その後、グッピーを専門に飼育している友人もいたので見学に行ったら、水槽が幾つか置いてあり、グッピーだらけ。
話を聞くと新固体の創出に必要との事。世代を追って固体を定着させる。「こういう飼育もあるんだね」と改めて認識した瞬間でした。



さてその後、私の鑑賞用水槽の中ではゼブラ、スマトラ、ランプアイの産卵を見ることが出来ました。
しかし、いずれも卵を産み落とした瞬間に他の魚が卵をつまんで繁殖できていません。いずれもウイローモスの中に体を震わせて入り産卵。その後を雄が追い掛け回す。というパターンでした。
プラティーの稚魚に至っては、水槽のリセット時に水草を全て抜いたら発見しました。その瞬間「パクリ」とやられ…。

唯一鑑賞用の水槽で成魚になったのはコリドラスで、その産卵は水槽のガラスに雌が卵を張り付け、その後を雄が追い掛け回す(2匹で追いかけていたような記憶が…)というパターンでした。
しかし、卵の大半はスマトラに捕食され、全滅したと思っていましたが、数週間後に幼魚となったコリドラスを1匹発見。それが私の見た産卵の時の魚かどうかはわかりませんが、今でも水槽の中で泳いでいます。つまり、私の繁殖成功第1号の魚はコリドラス君です。

そして遂に「繁殖」というものを本格的に行う決心が付いたのが大型水槽導入によって水槽が1本余ってからです。
と言うよりも、大型水槽を導入した直後にエンジェルフィッシュが産卵したからかもしれません。
エンジェルフィッシュの産卵は以前もあったのですが、その時は親が卵を食べてしまい成功していませんでした。
そこで繁殖というものを始める一歩として卵の産み付けられた産卵直後の葉(アマゾンソード)を切り取り隔離して繁殖に挑戦です。
無事孵化して稚魚用の餌を購入して、ブラインシュリンプを施し、成魚になったのが卵100個に対して2匹。これが初めての繁殖の成果です。
稚魚が減った理由は、排水ポンプへの吸い込まれ、あわてて稚魚用プラケースに隔離、しかしそのプラケースの水流用の穴から這い出して再び排水ポンプへの吸い込まれ…。
または固体の衰弱化による他界…。このような原因と結果を残して最初の繁殖は終了しました。

繁殖は続く…

 上記の経験から、対策として、
1.排水口をストッキングで覆う…これでも吸い込まれないものの水圧に負ける稚魚がいたので専用のスポンジを購入。
2.稚魚用プラケースの穴に目の細かい金網を接着。
3.ある程度大きくなるまでは茶漉しを利用。その後稚魚用ケースに移動。
 等を施し稚魚の致死率を低減させました。
その後、繁殖に成功したのは、エンジェルを皮切りに、コリドラス、スマトラ、ランプアイ、レインボーフィッシュ、トーマシー、小型カラシン系等です。
詳しくは、繁殖のページに随時情報を更新していく予定ですので期待してください。

繁殖は熱帯魚飼育の中でも楽しみの一つになります。
しかしそのためには、水槽の確保、水温を高く維持、餌の手間、増えすぎによる固体調整等の問題があり、中々始められないのも現実かもしれません。現に私も電気料金のかかる冬には繁殖を中止しています。
しかし、繁殖に成功した固体が自分の水槽内を泳ぎ、それがまた繁殖する…。
購入した固体でない魚が水槽内で繁殖する様は擬似的にも自然を切り取った環境を維持できている自分に満足できます。
「あーーぁ、煮魚が無ければ…」
現在世代を超えて繁殖しているのは、エンジェルだけになってしまいました(雑種も含めて)。しかも、もうこれ以上増やせないし…。
現在の楽しみはディスカスの繁殖です。現在は稚魚を幼魚と成魚の中間ぐらいの大きさまで育てたのでこれからです。
しかし、固体差が激しく、大きくなったのは2匹だけ。まだペアなのか友達なのか判断が付きませんが、「ペア」だったら…。
繁殖の道はまだまだ続くのです…。

《参照:繁殖のページ


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