富士山と富士五湖の情報局

勝山記

(県指定文化財 昭和50年3月17日)

勝山記 (The Katsuyama Dialy)

 甲斐都留郡勝山村の冨士御室浅間神社に伝わる古記録で、戦国時代の甲斐を中心とした隣国の歴史を知るための、貴重な史料と言われています。富士北麓の気象や農作物、流通経済の状況や疫病に悩む農民の状況。戦国大名武田・今川・北条の諸氏との合戦、外交のあり様などが詳細に書き残されています。
 また、自然現象に関する記載も詳しく、雪しろ・地震・火山活動・台風などの記事が、生き生きと書き記されています。
 現所蔵の『勝山記』は師安(564年・欽明天皇25年)〜永禄二年(1559)まで、およそ千年の間が記載されていて、全一巻であります。
 特に文生元年(1466)以降永禄二年までは、甲・信・駿・豆・相の戦国乱世の様子を冨士御室浅間神社の内庵であった、浄蓮寺の僧代々が見聞を書き綴ったもので、信憑性は高く、他に比すべきもののない中世の根本史料として重要視され、社会経済史学的価値は、多くの専門学者たちより、高く評価されています。
 また同神社は、武田氏を始め代々の領主たちの崇敬が厚く、多数の古文書を所蔵。このうち、武田信玄願文(二通)、並びに文明七年(1475)小林入道正喜の神領寄進判物を最古とする、武田信虎・信玄・勝瀬・小山田信茂ら関係文書(23通)が、山梨県文化財に指定されています。

(冨士御室浅間神社所蔵)


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