海外視察で朱鷺の島へ 2018年11月7日21時34分
 日本野鳥の会中部ブロック会議への参加で10年程振りに新潟に行ってきました。もう田んぼや湖沼・潟にはたくさんのコハクチョウたちがやって来ていました。初日と翌日の会議を終えて、いざ今年の目玉のオプショナルツアーの佐渡ヶ島への朱鷺の視察にも参加しました。

 人生初の佐渡ヶ島上陸ですが、島は予想よりもずーっと大きくてまずはびっくり。それからもっと驚いたのは前日の学習会で告げられた現在の朱鷺の数でした。多分驚かれる方の方が多いと思いますが、現在は350羽超なのでした!(実は私はまだ100羽以下程だと思い込んでいました)

 保護増殖にかかわる方々、島民総出の協力体制で、確実に野生の朱鷺は日々復活していました。朱鷺の観察方法は車内と室内からとルールが定められていても、限られた場所からでもほぼ確実に野生の朱鷺が観察できる程まで出現頻度も増えていました。

 日本でのトキの絶滅は私が大学生の時でした。それから約40年、まさか本物の生きた姿を見ることができるとは思いもしませんでした。双眼鏡を持つ手が震え、胸が感動でジーンとなり動悸が激しくなりました。きっと涙が滲んでいたかもです。

 保護センターに向かう道すがら、淡い朱色(朱鷺色・淡いピンクとオレンジ色の中間ぐらい)のトキが稲刈り後の田んぼでドジョウを捕っている姿を見ることができました。車内からとはいえトキは警戒心が強くて、約100メートルが安全距離だそうです。空を舞う姿のなんと優雅で美しいこと、翼の内側の方が濃い朱鷺色なのでした。そしてまたまた驚いたことにはカラスに似た愉快な鳴き声でした。知らない事ばかりでまだまだ勉強不足を痛感しました。

 この島の努力が実り続ければいつか近い将来、再び日本各地で、富士山で、美しい朱鷺の舞う姿が見られるようになるかもしれないなーと、本気で思える旅となりました。

 もちろんそのためには、自然農法の田んぼの普及や原発や過剰な風力発電やメガソーラーの規模縮小などなど、たくさんの高いハードルがあるのが現実なのですが。