タイの長期取材から帰ってきてから、生まれて初めての長ーい長ーい大スランプに陥っていました。何をやっても成果が出ず、全く上手くいきません。焦れば焦るほど底無し沼に引き込まれていくような…。
解決策も見つからぬままにしかたなく、焦らずゆっくりと初心を忘れずに!そう決めてじたばたせずにじーっと転機を待っていました。
ようやくの立ち直りの手掛かりとなったのはやはり、私には相性の良い身近な黒い鳥カラスたちでした。もう十年来長く気になっていた富士吉田市内での、ハシボソガラスたちの道路での車を使った、秋から冬にかけてのクルミ割り行動が今年も見られるようになりました。
続けざまの台風でほとんどのクルミの実が落下し、きれいに外皮が洗われたので、カラスたちには絶好の御馳走となりました。
富士川河口などではハシボソガラスたちは流れ着いたクルミを上空から河原の石の上に落として割って食べるのですが、ここ富士吉田のハシボソガラスたちは、交通量の多い道路にクルミを運んで、車に轢かせてクルミを割り食べます。見ていると結構ハラハラドキドキなのですが、すれすれで車を避けながら上手にご馳走にありついています。カラスたちに利用されている人間が少し滑稽に見えてきました。
ここでは車がクルミ割り人形代わりだってことですね。
さて、次の宿題はハシブトガラスがこれを真似するのかどうかです。 |