ネオン ドワーフ レインボーの繁殖記録

エンジェルフィッシュは比較的容易に繁殖できますが、繁殖のやっかいな種類に「卵をばらまく」タイプがあります。

このたぐいは、観賞用水槽内での自然繁殖は極めて困難です。
まず、観賞用水槽内に卵を発見できないでしょう。
また、幸運にも発見できても回収が困難です。


有無も言わさず隔離する

 まず、卵をばらまくタイプ、ウイローモス等に産卵するタイプは今から説明する方法で産卵に持っていけます。
このタイプの種類に付いては専門の熱帯魚図鑑で確認してください。
小型カラシンの仲間、小型メダカの仲間、小型コイの仲間がこれに当たります。
ただし、ネオンテトラ・カージナルテトラは何故かうまく行きません。また、繁殖報告も余り聞きません。
一説には、売っているネオンテトラはオスばかりということも聞いた記憶があります。どうなんでしょう?

この種類は、同一種類のみを隔離しないと発情も産卵も行わないと思ってください。もちろん最低雌雄1匹づつ必要です。
また、十分観賞用水槽等で飼い込み成熟していることが必要です。
成熟の判断は魚の寿命を調べ判断してください。通常小型カラシンは2年の寿命です。
ですから、ショップから購入したら4ヶ月は飼い込んでみてください。

隔離水槽には、アクリルの毛糸を沈めておきます。ウール等は動物性なので止めましょう。
良く参考書には、シュロの皮と書いてありませが、今時どこで手に入れるのでしょう?毛糸で十分です。
写真は緑色の毛糸を丸めて沈めてあります。他の色で試したことはありません。

魚を投入、様子を見る。

 今回は、「ネオンドワーフレインボー」で試すことにします。
この魚は、1996年10月に2,500円もしていましたが、3ヶ月後には600円程度に値下がりしました。
1996年当時、日本に入り立てだったのが、繁殖の容易さで値下がりしたんでしょうね。
ちなみにこの魚は、全身がメタリックブルーに輝き美しい魚で、飼育は比較的簡単です。体長は4〜5cm。
レインボーフィッシュの仲間であるので、産卵もだらだらと長期に渡ってまき散らします。
よって1度に多くの個体(稚魚)を望めないので焦らず長期戦で個体数を増やすことにします。

そこで、長期戦に備え魚を2ペア繁殖水槽に移します。体色の薄いのがメスです。l
その他、雌雄のはっきりしない種類の魚の場合は5匹程度隔離すればよいでしょう。
写真は、隔離した直後の魚の様子です。
しばらくはこの水槽の中で生活してもらいます。

産卵を促すコツは、水温を27度〜28度に設定し、様子を見ます。
通常なら2〜3日の期間で産卵をしますが、産卵の気配がないときは水換えを行ってみます。
経験から水換えの直後には産卵するケースが多いです。
私は高蛋白の餌を与えることを試していないのですが、皆さんは試されてはいかがでしょう?

産卵。

 まず、左の写真を見てください。かなり拡大してありますが、毛糸の中に卵が見えると思います。
この時の状況は、まずメスが毛糸の中に潜り込み、その後を追うようにオスが毛糸の中に潜り込みます。
以上の動作を何回か繰り返した後、突然、ぱっとモヤがかかったようになりメスが卵をまき散らします。
まき散らすと言う表現が一番適切です。
この時産卵する卵の数は20〜30ぐらいでしょうか?
この種類の魚は1度の産卵数が少ないですね。そのかわり長期に渡って産み続けるのです。
故に繁殖水槽では難しいのです。

観察によってネオンドワーフレインボーは、自分の卵を食べることがないようなので、このまま成魚も次の産卵の為に引き続き放置しておきます。
中には自分の卵や稚魚を食べてしまう種類もいるので観察によって確認してください。
なお、自分の卵や稚魚を食べる種類の魚の場合には産卵後成魚を繁殖水槽から取り除いてください。

さて、産卵が無事済んでも安心できません。場合によっては1つも稚魚が孵らないのです。そして、2・3日もすると卵はカビてしまいます。
私の場合、現在でも2回に1度は卵が孵りません。また孵ったとしてもその稚魚の数は10匹行くかどうかです。
この稚魚の発生率の低さが現在の課題です。
一説には水流が強いと精子のかかりが悪く受精しないと聞いたことがありますが、私の繁殖水槽では水流はさほど強くありません。
思うに未受精のまま産卵されるか(産卵光景を毎回見ているわけではない)、産卵後の卵の管理がまずい(カビやすい)のどちらかだろうと想像しています。

とにかく、少ない産卵数と少ない孵化率なので長期戦で個体をじわじわ増やすしか手はないですね。
この魚は群泳して泳ぐと綺麗です。最低30匹は欲しいですね。

ともかく孵化。

まぁ何はともあれ孵化したらエンジェルと同じように給餌を始めます。
ネオンドワーフレインボーの稚魚は孵化したての時、透明でしかも数mm程度しかありません。
そして、できれば稚魚を成魚から隔離した方がよいかも知れません。
私の水槽では真ん中に仕切が設けてあるんですけど、何故か稚魚と成魚が自然に仕切の左右で分かれます。(ですから管理が楽です)
そしてその稚魚は水面を素早く泳ぎ回ります。この時の餌は卵生稚魚用で問題ありません。
そして3〜4週間で色がかすかに付きはじめ、次第に中層を泳ぐようになります。
私はこの時からブラインシュリンプに切り替えます。(乾燥餌と交互ですが)

孵化から3週間目の稚魚の様子。これでも数mmしかない。


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